こんにちは、JOUROライターの岩田紫苑です。
新年がスタートし、あっという間に半月以上が経ちました。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
現在JOUROでは「虹ノアトリエ」いう花業界専門のオンラインサロンを運営しています。
ありがたいことに、サロンメンバー数は400名を超えてきました。皆様、日々精力的に活動されているため、サロンメンバーさんの活動をレポートさせてください。
本日ご紹介するのは、JAるもい 花き担当 菅原力也さん。
北海道の北部、日本海に面した留萌(るもい)市という産地で、お花の販売を担当されています。

全国のお花屋さん、フローリストから絶大な支持を得ている「るもいのお花」
前編後編のインタビューを通して、人気の秘密を紐解きます。
菅原さんの経歴を、簡単に教えてください。
高校を卒業後、現在のJAるもいに就職し、お花の販売を担っています。
農協において、1つの部門での担当は平均3-5年程度ですが、私は花卉担当になり、丸7年が経ちました!
普段はどんなお仕事をしていますか?
メインは農家さんとのやりとり。どんなお花を作ったらいいか、相談から始まります。作るものが決まったら、その種の手配。種の品種を扱う主要メーカーさんがいらっしゃるので、その方に声をかけたり、個人育種家の方に問い合わせてみたり。さらにお花が出来上がったら、どのように出荷したらよいか、梱包まで話し合います。
また、産地全体での品質向上を目指し、栽培技術の平均化にも努めています。
例えば、花卉生産部会があるので、そこで講習会を開催したり。私自身が、ベテラン農家さんから栽培技術を学び、若手の農家さんの指導にあたることもしばしば。
卸売市場とのやりとりもあります。秋口には、来年1年間で生産するお花を決定し、販売価格の交渉も行います。
生産から販売まで、一貫して携わっています。
どんなお花を出荷していますか? 「るもいのお花」について、詳しく教えてください!
出荷の7割が、トルコキキョウ(1輪仕立て・3輪仕立て)です。
1輪仕立てのトルコキキョウ(リシアンサス)は、モノリシアンと名付けました。
モノ(MONO)は、ギリシャ語で「ひとつの〜」を意味します。
長野県千曲市で個人育種家をされている中曽根健さんとともに名付けました。
これが、実は今年の最重要品目なんです…!
▼モノリシアン

モノリシアンを開発したきっかけは、お花屋さんからのヒアリングです。一般的には、3輪仕立て/スプレー咲きが出回っていますが、左右のお花を取り除き、1本に1花として使うお花屋さんも多いと聞きました。
切り分けた左右のお花は、使いにくく、ロスの原因にもなるそう。ならば、1輪仕立て(1本に1花)のトルコキキョウを作ろう!と思ったのがきっかけです。5年後10年後、モノリシアンがスタンダードな形になればいいなぁ。
残りの3割には、ウニアスター、ニュアンスチース、ピックデルフィ、ポッケールなどがあります。
聞いたことがあるような…ないような…
でもなんだか、馴染みのあるお名前ばかり…?
菅原さん!残りの品種についても、詳しく教えてください。
ウニアスターは、私たちが開発したものです。小花がたくさんついたものがアスターですが、1輪に1花に仕立てたらどうなるか、開発してみました。ウニ(Uni)は、ラテン語で「ひとつの〜」を意味し、出来上がりの見た目がウニみたいだったので…それらを掛け合わせて名付けたんです。
▼ウニアスター

ここ近年流行のニュアンスカラーのスターチスも、取り扱ってます。こちらも言葉を掛け合わせ、ニュアンスチースです。
▼ニュアンスチース

ピックデルフィとは、私たちがお花屋さんに向けて、アレンジメントにも使いやすく再提案したデルフィニウムのことです。通常のデルフィニウムは、茎がストロー状になり、アレンジメントで使用するスポンジに挿しにくいという悩みを、お花屋さんから聞きました。これを解決するために、空洞が狭く硬い茎を仕立てたのが、ピックデルフィです。
ピック(pick)は、お弁当のおかずにさすピックを想像し、名付けました。
お花の生産者が、お花の用途をせばめているという傾向になりがちなので、このような再提案や見直しは欠かせませんね。
▼ピックデルフィ

ポッケールとは、ハボタンのことです。これもお花屋さんからヒアリングするなかで、気付いたことなのですが…アレンジメントでは、隙間を埋める花材になりうる、と考えました。お正月には、10-15センチが出回りますが、隙間(=ポケット)に入るハボタンという意味、そしてハボタンはキャベツ、英語ではケールです。
それらを掛け合わせて、ポッケールです。年末年始だけでなく、普段使いもできるように再提案しなおしました。スイートピーも染めが流行っているので、ハボタンの中心部も染めて、様々なカラーバリエーションを展開しています。
▼ポッケール

なるほど!ネーミングセンスが素敵です。
一度このストーリーを聞いたら、記憶に残りやすいですね!
はい。名前を付ける時には、使い勝手や栽培のストーリーも組み込んだ名前を心がけています!馴染みやすい名前であれば、お花屋さんにも認知してもらえるので。
お花屋さんが店頭で販売した時に、消費者に名前の由来を伝え、会話のきっかけを作ることができたら良いなとも思っています。
ありがとうございました!
トレンドをおさえた色味。且つ、豊富なカラーバリエーション。
全国のお花屋さんや、フローリストから絶大な支持を得ているのはなぜか。
前編では、「るもいのお花」の主力商品をご紹介しながら、人気の秘密に迫りました。
今回ご紹介した以外にも、Instagramには可愛い「るもいのお花」がたくさん!
是非、覗いてみてくださいね。
▶︎JAるもい
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