こんにちは。株式会社JOUROでライターをしている岩田紫苑です。
JOUROは、花に関わる新規事業及び新商品/サービスの創出を共創・支援する会社であり、様々なプロジェクトの創出を目指しています。
今回は、読み終えた本が花に変わるプロジェクトの第一弾が、無事終了したことをお知らせします。
ご自宅で眠っている本を回収させていただき、その査定額と同額分の花を、NPO法人を通じて、10代の若者に贈るというプロジェクト。本プロジェクトが立ち上がった背景には、社会課題である「きっかけ格差*」や「体験格差**」が挙げられます。文化体験機会を失っている子どもたちに、花のある暮らしを体験してもらいたい!という想いをもった、花業界10数名の有志が、立ち上げた企画です。
第一弾が無事終了し、6月から7月中旬で集まった本は1,394冊。査定額は68,718円になりました。協力してくださった皆さま、誠にありがとうございました。
この査定額を花代や資材代にあて、先日さっそくNPO法人カタリバさんにて、ワークショップを実施してきました。クローズドな場所での活動でしたので、写真で当日の子どもたちの様子をお伝えすることはできませんが、終始とても楽しい雰囲気でした。
子どもたちには、放課後から夜の時間を過ごす活動場所に、花を飾ってもらう体験をしてもらいました。玄関やトイレ、自習する机や棚など、どこに何を飾るのかなども、子どもたち自身が考えてくれました。初めは、恐る恐る花と花瓶を選んでいた子が、回数をこなすうちに、手つきが慣れてきたり…見知らぬ大人が苦手な子も、笑顔で参加してくれたり…ワークショップ後には、残った花で、プロジェクトメンバーがブーケ作りを披露し、見惚れる子も居ました。別れ際「お花屋さんに弟子入りしたい!」と言ってくれる子もいて、プロジェクトを企画して良かった…と、私たちも心が温まる時間でした。
一度きりの単発で終わらせず、この取り組みを継続するためにも、現在第二弾を計画しています。来月から、本の回収呼びかけを再開しますので、またご協力いただけると嬉しいです!
教育機会が平等に行き届いていると言われる日本ですが、生まれ育った環境や受けた教育によって、意欲と創造性を育む「きっかけ格差」は広がっていると感じています。その背景には、地域特性や家庭環境、震災など、様々な事情があります。
日本でも、自分自身の子どもに対して様々な「体験」を与えたいと願い、実際にその機会を与える親は数多く存在する。だが、それがあくまで個々の家庭ごとの話にとどまっている限り、裕福な家庭に生まれた子どもたちはともかく、低所得家庭の子どもたち、あるいはその他のハンディキャップを抱えている家庭の子どもたちは、誰からのサポートも得られずに置き去りにされるだろう。そして、実際に置き去りにされてきたのだ。
重要な分岐点は、「私の子ども」だけではなく、「すべての子ども」に対して、「体験」の機会を届けようとするかどうかにある。「体験格差」をなくそうという意思を、社会全体として持つかどうかにある。
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