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花から始まる社会変革。JOUROが実践するソーシャルビジネスの新しいカタチ

こんにちは、ライター&広報PRの岩田紫苑です。株式会社JOUROはソーシャルビジネスに取り組んでいます。ソーシャルビジネスとは、利益を追求することを目的とするのではなく、社会的な課題を解決することを目的としたビジネスです。本記事は、多様な社会課題に取り組むJOUROのユニークなソーシャルビジネス事例をご紹介します。


はじめに:新しい社会課題解決の形「ソーシャルビジネス」とは

「ソーシャルビジネス」という言葉に馴染みがない方に向けて、こちらで簡単に解説します。2021年4月には、ソーシャルビジネスで売上55億円をうみだした株式会社ボーダレス・ジャパンさん。同社の記事によれば、


ソーシャルビジネスとは社会問題解決を目的とした事業で、その領域は貧困や差別、環境問題など、多岐にわたります。最大の特徴は、寄付金などの外部資金に頼らず自社で事業収益を上げることで継続的な社会支援を可能にしている点です。


と記載されています。


「9割の社会問題はビジネスで解決できる」の著書であり、株式会社ボーダレス・ジャパン社長の田口さんによれば、従来のビジネスは、人々の“不満”や“不便”を取り除くマーケットのニーズが起点になっているそう。一方ソーシャルビジネスは、マーケットから取り残された社会問題をビジネスで解決しようとする事業、と仰っています。では、具体的にJOUROではどのような社会問題を解決するプロジェクトに取り組んでいるのでしょうか。


気候変動対策プロジェクト

1.お祝い花のプラットフォーム「HANAMUKE for biz」

ゴミやCO2排出量の削減に焦点を当てた事業として「HANAMUKE for biz」というプラットフォームを展開中です。開店移転周年祝い・イベントなどで贈られるお祝い花は、一度にまとめて大量に届くがゆえ、現場では様々な困り事が多発しています。


例えば

・納品の対応に追われる

・開梱作業に時間がかかる

・段ボールのゴミがたくさん出る

・現場が慌ただしく、せっかく貰った生花を枯らしてしまう…などなど。


この問題に対し、JOUROは独自の解決策を提案。お祝い花を贈りたい側のお祝い金を一括してとりまとめ、お祝い花を受け取る側の要望にあったフラワーギフトを、花屋さん1社が納品するという仕組みです。従来のお祝い花の贈り方では、お祝い花を贈りたい!と思う人や企業の数だけ、花屋さんが個々で現場に納品する、という仕組みでした。これでは前述したような困り事が発生してしまいます。この問題を解決し、関わる人全員が喜ぶ仕組みを提供しています。


2.サーキュラーエコノミーを目指した「STEMN」プロジェクト

ゴミやCO2排出量の削減に焦点を当て、且つ循環型社会を目指したプロジェクトが「STEMN-ステムン-」です。英語でステムとは、茎のこと。


花を扱う現場(花屋、結婚式場、葬儀場、卸売市場)では、必要な長さに茎をカットしてアレンジメントを作成したり、祭壇や式場を装花します。そのため、大量の茎が日々当たり前に廃棄されます。ここに注目し、茎の資源化に着手して3年が経ちました。株式会社山櫻さまとの共同開発により、廃棄される前の茎を粉砕し、新聞古紙と水を金型に流し込んだ循環型ポットの製造に成功。2022年6月から販売しています。


原材料は新聞古紙と粉砕した茎なので、新たな資源を一切使っていません。さらに、循環型ポットが不要になった場合は、土に埋めることもできます。土中の微生物が半年から1年かけて、ポットを分解してくれるためです。このようなSTEMNの特徴は、ゴミやCO2 排出量の削減に繋がっており、循環型ポットというアイテムを取り入れることで、気候変動をくい止める一助にしていきたいです。またSDGsの教材として、活用してくださる教育機関も数か所ありました。


3.森林保護に繋がるクリスマスリース作り

このプロジェクトは「一般社団法人森を守るクリスマスリース協会」との取り組みです。日本の国土の約7割が森林で、これは世界でもトップクラス。しかし、その多くが手入れ不足の人工林(戦後に一斉に植えられたスギ・ヒノキ)などです。これらを放置しつづけると、森林の健康が損なわれ、土砂崩れの発生が増えたり、生態系が崩れてしまったり。


普段暮らしているなかで、知らず知らずのうちに森林の恩恵をたくさん享受している私たちですが、実はその役割を詳しく知る方は少ないかもしれません。(知り合いの木こりさんによれば、森林伐採は自然破壊だ!と極端な考えを思っている方もまだまだ多いそう…)そこで、森林整備で発生したスギやヒノキの枝葉をクリスマスリースの材料に活用し、楽しみながら、森林を知るきっかけを提供しているプロジェクトになります。



子どもの情操教育の支援

昨今、こどもを取り巻く環境は複雑化しています。例えば、家族構造の多様化により、子どもを見守る環境が減少していたり。スマホやSNSの普及により、子どもたちが簡単に膨大な情報に接触でき、ネットいじめやプライバシー問題など、新たなリスクに直面していたり。このような状況下で、・小中学生の自殺率の増加・国内における、子どもの精神的幸福度の低さなどの社会問題も深刻になっています。子どもの情操教育を支援することは、長期的に健全で持続可能な社会基盤を築く重要な取り組みだと確信し、JOUROでは2つの事業を展開しています。


1.花育活動家のサポート

花を通じて子どもたちの五感を整え、豊かな心を育てることをミッションに掲げた団体「Flowers for children」の支援です。自然との触れ合いを通じて、子どもたちの豊かな心を育む教育事業として、全国ですでに活躍している花育活動家をサポートする仕組みづくりに挑戦しました。花育活動家の皆さんは、本業(花屋)で得た資金を花育活動に充てている傾向が多かったり、花代や資材代などの費用が発生しているにもかかわらず、ボランティアで活動している方もいて、持続可能な仕組みではありません。そのため、「Flowers for children」が花育活動家の後ろ盾となり、バックアップしていく体制を整えています。




2.シングルマザーの支援

2021年6月、JOURO代表の青木が取り組んだプロジェクトで、貧困家庭にむけてお花を届ける取り組みです。シングルマザーに育てられた経験をもとに、立ち上げたクラウドファンディングでは、354,500円の資金調達に成功し、お花を受け取った方々からも温かなコメントをいただきました。単発の取り組みで終わってしまっていますが、シングルマザーへの支援は、子どもの心の土台作りにおいて、重要な投資と考えています。母親の精神的余裕が生まれることで、子どもに対してより穏やかで愛情深い関わりができるようになったり。暮らしに花を取り入れることで、親子のコミュニケーションが活発になり、子どもと向き合う時間が増えたり。シングルマザー支援は、子どもの情操教育に多方面から効果をもたらしています。


さいごに:小さな花から始まる大きな社会変革へ

このように、JOUROは「花」という身近な存在を通じて、環境問題から子どもの教育まで幅広い社会課題に取り組んでいます。気候変動対策では廃棄物削減と循環型社会の実現を、子どもの情操教育支援では次世代の健全な成長を目指しています。花という美しく温かみのあるアイテムだからこそ、人々の心に寄り添いながら持続可能な社会変革を実現できると考えています。ソーシャルビジネスは、従来のビジネスモデルとは異なるアプローチで社会課題に挑戦する新しい形です。JOUROの取り組みは、小さな花から始まる大きな社会変革の可能性を示しており、今後もさらなる展開が期待されます。


▶株式会社JOURO(ソーシャルビジネスカンパニー)



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